> Q&A 温泉全般質問

<Q.温泉なのに塩素臭がするのはなぜですか?>
せっかくの温泉旅行で大きな浴槽に入ってプールと同じような塩素臭がすると何か気分が半減したような感じになる方が多いと思います。この塩素臭は主に消毒剤として安価な次亜塩素酸を使用しているためです。この消毒剤以外にも臭いのでない銀イオン殺菌や紫外線殺菌、二酸化塩素殺菌などがありますが、問題なのはなぜ温泉水に消毒が必要かという事です。
一つ目の理由は衛生管理維持の観点から強いてはレジオネラ症対策がメインでしょう。不特定多数の利用者が入ってくる浴槽では、利用者からの雑菌の持ち込みもあります。利用者も入浴前には体を洗ってから入浴することが衛生管理上不可欠な要素です。
二つ目は浴槽の大きさの割には絶対量の温泉水が少ない施設が殆どです。新たに新鮮な補給水が必要量得られなければ当然それを衛生上補うためには消毒が必要となってきます。
三つ目は利用者の免疫力低下があると思います。昨今の秘湯ブームで山の中を何時間も歩き自然のままの温泉溜まり場を見つけて入浴する方々は健康で免疫力も強いでしょうから、さほど消毒剤が無くても問題はありませんが、一般の浴場には不特定多数の利用者がいて中には免疫力の弱い高齢者や乳幼児がいるという事を考えなくてはなりません。
私個人的にはすべての温泉水を消毒するというのは如何なものかと思っていますが、まずは安全安心が第一条件です。この条件を満たした上で未消毒の温泉浴槽を考えていくべきでしょう。


<Q.なぜ東京都渋谷区の温泉施設は爆発したのか?>
渋谷区の温泉施設が爆発した原因は、温泉水に含まれている可燃性天然ガスが屋内に溜まりそれが引火して爆発したと考えられています。この事故を基に温泉法は改正され可燃性ガス対策を行うようになりました。
それ以前はどうかというと、この可燃性ガスは温泉分析では測定項目の中に入っていないため殆どの温泉分析で測定されませんので、可燃性ガスの有無さえわかりませんでした。また可燃性ガス対策に関しては設計者や施工業者が独自に行っているため対策が不十分だった施設も数多くありました。さらに掘削業者、設備業者、管理運営業者と引き継がれていく際に可燃性ガスの危険認識が薄れていったこともこの事故を通してわかってきました。
二度とこのような事故を起こさないよう温泉管理に努めることが重要です。


<Q.温泉が病気に効くと言われるけど本当に効くの?>
難しい質問ですね。直接この問題を答えるのは難しいので温泉の効能効果が確立された時代を考えてみましょう。正式には温泉の効能は薬事法等の問題から療養といいます。この療養は温泉法とは別に約60年ほど前に当時の厚生省が制定した鉱泉分析法指針というものがあり、その中で病気治療の目的として利用できる温泉を療養泉として定義しています。
従って温泉療養の実態は現代医学とはかなりかけ離れた約60年前以上の温泉医学集大成でしょうか。
まずこの頃の温泉について考えてみましょう。この時代は第二次世界大戦直後で殆ど物資もなく温泉を掘削してポンプで汲み上げるという技術もなかった時代です。温泉は自然湧出で加温装置も殆ど無く湧出した温泉を浴槽に溜めて利用者が湯に浸かるといった状況ではないでしょうか。また湯治といって少なくとも1ヶ月くらいはその温泉地に滞在して療養をしていたでしょう。これらの条件((1)自噴等による新鮮な温泉を大量に供給(2)浴槽のお湯は循環式でない(3)浴槽水に消毒剤の添加はない(4)利用者は長期利用)が初めて揃ったときに療養効果が認められたと考えられます。
一方で利用者はどうでしょうか。60年前の日本人と現代の日本人ではストレスの度合いや免疫力に大きな違いがあるのではないでしょうか。
これらを総合して考えると、今の温泉施設のあり方や利用者の体質に大きな隔たりがあり現代医学に適していない又は療養効果が得られる条件が殆ど整っていないというのが現状であると思います。
またすべての温泉が病気に効くというわけではありません。それぞれ温泉には特徴がありその特長を生かすのが上手な利用法です。すべての温泉が医者になれるというものではありません。


<Q.温泉って何がいいの?>
温泉と聞いて何をイメージするでしょう?
おそらく温泉成分による体への効果や温泉地の自然環境による日常生活やストレスからの解放などをイメージされるのではないでしょうか。このように単なる温泉成分だけの効果ではなく開放感のある広い浴槽や温泉地の形状など温泉には幅広い効果があります。主に温泉の利用のされ方は様々ですが、昔から(1)疲労を回復させる『休養』(2)健康を保持し病気を予防する『保養』(3)病気の治療をする『療養』などがあります。
※一部日本温泉協会ホームページからの引用


<Q.火山のない茨城に温泉が増えているのはなぜですか>
1948年施行の温泉法によると、温泉の定義は「地中から湧出(ゆうしゅつ)する摂氏25℃以上または、規定の19の物質が1つでも一定以上に達している温水」とある。本件でも近年はその基準を満たした温泉が増えている。


    県環境白書によると、県内にある温泉の源泉数は2002年3月末現在で136カ所(利用は90カ所)。01年の132カ所は全国47都道府県中36番目。平均は564カ所のなので、決して多いとは言えない本県だが、94年からの増加率では全国が7.4%増だったのに対し、本県は23.4%増となっている。


    県地方課によると、入湯税を導入した市町村数は91年度当時で8自治体だけだったが、01年度には21自治体へと増えている。これに伴い、県全体の入湯税総額は4336万7000円から約5.5倍の2億3984万7000円になった。 


    これらの要因について、温泉を所管する県薬務課は「温泉掘削の技術が飛躍的に伸びたため、温泉不毛の地と呼ばれた地域でも温泉での観光振興などを考えたため」と説明する。


    ▼1000m掘ればあたる
    温泉掘削技術はどこまで進んでいるのか。県内の多くの温泉を掘削した実績を持つ茨城温泉開発(本社水戸市、堀川亀雄社長)は、現在の技術について「百発百中」と胸を張る。


    同社によると、本県ではおおむね、どの地点でも地下100mごとに地熱で水温が約2〜3度高まる原則があるという。つまり、地上で水温15度の水は1000m地点では35〜45度になる計算となり、質量を問わなければ、どこでも1000m掘れば基準の25度を満たす温泉を掘り当てられることになる。 


    それを可能にしたのが地中2000m近くまで掘削可能な大型機械の導入だ。米国での石油掘削現場の深度が2000m級から3000m以上になったため、そこで使われなくなった掘削機械が中古市場に格安で出回り、温泉掘削業者の手に移ったことが背景にある。八千代町のやちよ乃湯は地下1500m、常北町のホロルの湯1301mから湧出している。


    温泉掘削が“宝探し”から“百発百中”の時代へと変化したことで、掘削会社も増え、掘削の費用は現在はおおむね1m6〜8万円と低くなっている。また、掘削が成功報酬になっていることで自治体も安心して依頼でき、日帰り温泉入浴施設の建設ブームつながったようだ。


    ▼求められる差別化
    近年は類似施設が多くできたため、競争も激しくなっている。95年にオープンした御前山村の四季彩館は開館から2000万円を超える入湯税を稼ぎ出していたが、99年度から1000万円台に落ち込んでいる。理事長を務める長山安隆村長は「温泉だけで人を呼べる時代は終わった」と話す。


    常北町のホロルの湯は温泉プールなども併設し、健康増進を主眼に置いた。阿久津勝紀町長は「差別化を図らなければ、これからの温泉運営はやっていけない」と指摘する。県内の温泉は既に開発から淘汰(とうた)の時代に入ったようだ。 


<Q.なぜ温泉偽装問題は起きたのか?>
白骨温泉の入浴剤投入を機に全国的に温泉偽装問題に発展しました。
この問題の要因の一つには利用者側と温泉運営者側との温泉に対する認識のズレがあったと思います。利用者の立場で考えれば『白骨温泉』といえば名前の通り白く濁った温泉が当たり前でその温泉を楽しみに温泉に行くことでしょう。しかしながら温泉は生き物です。必ずしも湧出直後(生まれたて)の状況ではありません。人間と同じように老化することもあり時には喜怒哀楽の感情に似たような泉質や量などを変化させることもあります。運営者としては透明になってしまった温泉に苦渋の選択で入浴剤を投入したと思います。
温泉は天然の恵みです。この恵みに対して利用者が条件を付けてしまうというのは如何なものでしょう。その日その日の貴重な恵みを楽しめる環境を利用者、運営者共通の認識として作っていきたいものです。
ちなみにこの問題以降温泉法は改正され浴槽ごとに表示を行えば入浴剤の投入も正式に認められることになりました。